あるアパートで男が死んだ。

住人達は誰もその男を知らない。
いや、知ってか知らぬか互いの顔色をうかがい、口を閉ざしていた。
そもそも識別するに一番重要な首の部分が男にはなかった。
やがて住人達は物言わぬ隣人達を疑いの眼で見はじめる。

アパートには7人の男女が住んでいた。

常に喪服に身を包んだ未亡人とその息子。
無口だが真面目な学者。
疑い深く神経質な画学生。
他人の秘密を暴くことを好む双子。
情緒不安定な売れない作家。

そこへ管理人の友人と名乗る青年が現れる。

住人達は青年の突然の出現を訝しむ。
招かれざる客人は住人達の噂する事件に興味を持つ。
ひょんなことから青年は作家と共に謎の解明に乗り出すが
見えてくるのは住人達の怪しげな人間関係ばかりで…。

そんな中、未亡人が男と同様、首なし屍体となって発見される。

果たして青年と作家は”真実”を知ることが出来るのだろうか…?