未亡人 【 未亡人 】
亡き夫への愛を誓い、常に喪服に身を包んでいる。
息子を何があってもまず第一に考える、母性愛に満ちた女性。
その一方でさまざまな男性と関係を持つ、矛盾に満ちた女性でもある。
アパート内でも学者と愛を契り、また管理人とも何らかの関係を持っていたようで…?

未亡人の息子 【 未亡人の息子 】
大人しい性格であるが、心の底では周囲の大人達を冷めた眼で見つめている。
優しい母親を愛する一方で、淫らな生活を送る母親を軽蔑している。
どうやら自分と接する母親と次々と男を連れてくる母親は別のモノと見ているようだ。
自分と対等に話をする青年に心を開く。

学者 【 学者 】
無口だが真面目で、住人の間で諍いがあると仲介に入ったりする。
昔は学者として有名だったが、現在は静かに隠居生活を送っている。
基本的に紳士的な振る舞いだが、未亡人に関することには異常なほど敏感。
未亡人に対して並々ならぬ愛情を傾け、独占したいと考え始める。

画学生 【 画学生 】
疑い深く、神経質な性格の持ち主。
いつもからかってくる双子とはすこぶる仲が悪い。
未亡人を崇拝し、絵に描き続ける。
未亡人の整いすぎた美しさが彼に絵を描かせていると言える。

双子 【 双子 】
他人の秘密を暴くことを好む。
片方がしゃべり、片方が実行に移す。
どちらかひとりでは未完成であるが故に、常に二人で居る。
二人とも幼い頃に片眼を失い、そのため片眼は義眼である。

作家 【 作家 】
物書きをしているが全く売れず、情緒不安定で部屋にこもりがち。
趣味は人間観察でアパートの住人をよく見ている。
アパートで男の屍体が発見されたことをきっかけに、その出来事を小説にする。
ぬけているのか、怪我が絶えない。

青年 【 青年 】
管理人の友人と名乗る男。
不在の管理人の帰宅を待つためアパートに居座る。
男の死に興味を示し、作家と共に”真実”を追い求めようとする。
青白い肌に濡れた黒髪、吸い込まれそうな黒い瞳…と、どこか人間離れした美しさを持つ。